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【関ジャム完全燃SHOW】売れっ子音楽プロデューサーが選ぶ 2018 上半期マイベスト5曲

2018年7月15日、テレビ朝日系「関ジャム完全燃SHOW」で、番組での好評企画である音楽プロデューサーが注目の楽曲を紹介するシリーズの「売れっ子音楽プロデューサーが選ぶ 2018年 上半期マイベスト5曲」が放送されました。

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年間ベスト10の「売れっ子音楽プロデューサーが選ぶ 2018年 マイベスト10曲」は下記リンクへ↓↓

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音楽プロデューサーが選ぶ 2018年 上半期マイベスト5曲

音楽プロデューサーが、今年上半期の注目曲をランキング形式で発表して、解説していく番組でした。

プロの音楽家が注目している楽曲をランキング形式で発表し、解説を加えるこの手の規格は、放送後にバズる曲も出てきたりするので、個人的にも、とても注目しています。

【ゲストの音楽プロデューサー】

今回、上半期マイベストを発表するのは、この3名。

 ・いしわたり淳治さん・・・作詞家・歌詞プロデューサー

→Superfly・布袋寅泰・JUJUなど手がけた楽曲は600曲以上。


蔦谷好位置さん・・・音楽プロデューサー


mabanuaさん・・・注目の音楽プロデューサー

→所属アーティスト全員がプレーヤー兼プロデューサーという「origami PRODUCTION」に所属。米津玄師・SALU・ゆず・さかいゆう など、100曲以上をプロデュース。 

過去に、この種の企画で紹介された楽曲が、「バズる」ことが多く、この企画が注目されている所以でもあります。

 

まずは、ランキングの5位から2位までが紹介されました。

(※記事中のコメント・ランキング等の文章は、「関ジャム完全燃SHOW」2018年7月15日放送分より引用・要約などさせていただいております。)

 

いしわたり淳治が選ぶ2018年 上半期ベスト5(5位~2位)

●国民的アニメに起きた大事件 あの人の無敵感がスゴい‼︎

5位 星野源「ドラえもん」 作詞・作曲:星野源(2/28発売)

【いしわたり淳治コメント】
これほど長い歴史のある「ドラえもん」という作品を真正面から背負うのはかなり覚悟のいることです。
星野源というアーティストの今の時代における無敵感、余裕、ある種の凄みのようなものを感じる、事件だと思いました。

 

 ●ワンワードで心を掴む‼︎ インパクト大の最初の一言
4位 湘南乃風「やめちまぇ!」 作詞・作曲:湘南乃風、寺岡呼人(3/21発売)

【いしわたり淳治コメント】 
上半期のサビ頭大賞という感じでしょうか。
サビ頭の「やめちまぇ」というインパクトの強い言葉、そこから逆説的に応援歌として展開していく歌詞世界。
曲が流れた瞬間に、たった一言で聞き手の耳をさらっていくような、瞬発力のある、素晴らしい言葉選びだと思いました。

 

 ●ロック界の新たな注目株 20代の3人組ガールズバンド
3位 Hump Back「拝啓、少年よ」 作詞・作曲:林萌々子(6/20 発売)


Hump Backは、2009年に高校の軽音楽部で結成。大阪出身の3ピースガールズバンド。

 【いしわたり淳治コメント】
「夢はもう見ないのかい?明日が怖いのかい?」
歌い出しでハッとさせる声ろメロディー。
いわゆる流行歌と無縁の場所で、憧れや夢やロマンといった、かつてロックが本来持っていた美しさや強さを、若い3人の女性が3つの楽器だけで完璧に表現していて素敵です。     

 

 ●キラーフレーズ連打‼︎ あの天才が見せた覚悟と心意気
2位 宇多田ヒカル「初恋」作詞・作曲:宇多田ヒカル(6/27発売)

 【いしわたり淳治コメント】
「もしもあなたに出会わずにいたら 誰かにいつかこんな気持ちに させられたとは思えない」
という一回聞いただけで意味がわかるけれど、あまり聞いたことがない表現。
このような「どれくらい好き?」の答えとしてとても秀逸なキラーフレーズが連打されています。

また、いしわたりさんは、この曲は宇多田さんが日本語の面白さに気付いてから書いた歌詞ではないか?という推論を展開。
1999年発売の「First Love」と比較して、「『First Love』は歌詞に英語が多いが、今回は、覚悟みたいなものを感じる、というか日本語と向き合う面白さを見つけた感じがする。」といった内容の解説をしました。

 

mabanuaが選ぶ2018年上半期ベスト5(5位~2位)

●常に変化し続ける先進的ロックバンドの新境地
5位 サカナクション「陽炎 -movie version-」 作詞・作曲:山口一朗(3/28発売)

【mabanuaコメント】
サカナクション印のメロディーやカラーはありつつも、80’s Boogie的なブラックミュージックのテイストが色濃く出ていて、ブラックミュージックが好きな僕としてはビビッときました。
あと、この曲のドラムは「トリガー」という手法を使い、生ドラムと打ち込みのドラムを混ぜて鳴らしているらしく、海外で流行り始めた手法なのですが、サカナクションは日本でいち早く取り入れたらしい。

 

●HIP HOP の新世代‼︎ 日本語と英語を巧みに操る24歳
4位 KID FRESINO「Coincidence」
作詞:KID FRESINO 作曲:三浦淳悟、斎藤拓郎ほか(2/3発売)

KID FRESINOは、2013年にソロデビュー。埼玉県出身の24歳。

【mabanuaコメント】
 一言で言えば HIP HOPの法則に囚われないことをやろうとしているのが魅力的です。
日本語と英語を巧みに混ぜたリリックに耳を引かれて よくよく聴いてみると後ろのトラックとラップリズムが綿密にリンクしていて、ただ同じリズムの上で延々ラップsjるわけではなく すごく全体のアレンジを見据えて構築されている。

 

●18歳の日本人率いる多国籍バンド
3位 Superorganism 「Everybody Wants To Be Famous」
作詞・作曲:Superorganism (3/2発売)

Superorganismは、18歳の日本人・オロノがボーカルを務める、8人組多国籍バンド。
夏にはフジロックフェスティバルに参加予定。

【mabanuaコメント】
 サイケデリックなサウンドの中にロックやエレクトロミュージック、ヒップホップなど様々なジャンルが混ざっている まさに「ノンジャンル」なバンド。
メンバーの中に複数ソングライターがいたり、サウンドエンジニアがいたり、なぜか3人コーラスがいたり、既存のバンド形態に囚われないところも面白いです。

 

 ●とにかく「質感」が面白い キレのあるボーカルに注目
2位 星野源「ドラえもん」作詞・作曲:星野源(2/28発売)

【mabanuaコメント】
この曲の面白さはとにかく「質感」。
今やポップスではリバーブ、エコー(残響効果の手法)という空間を表現するエフェクターは当然のように使用されていますが、星野源はほぼ空間系の処理をしていない。最近のJP-POPのヒット曲では珍しいと思います。
リバーブをかけず、短い音にする事で歯切れが良くなりリズムが立ち、曲がタイトになっていきます。これが星野さんの楽曲にキレを生み出している要因だと思います。

 

蔦谷好位置が選ぶ2018年上半期ベスト5(5位~2位)

●日本語ラップの新世代 若者のリアルを綴るヒップホップクルー
5位 BAD HOP「Kawasaki Drift」
作詞:YZERR、Vingo、G-k.i.dほか 作曲:理貴(6/15発売)

BAD HOPは、2014年に活動をスタートした8人組のヒップホップクルー。

【蔦谷好位置コメント】
彼らは全員が川崎出身の元不良の集まりで、地元のことや体験してきたことをリアルにラップしている。
いつの時代も若者の行き場のない憤りを音楽のエネルギーに変えてきた歴史はあるが、彼らもまた音楽に出会ったことで光を見つけたんだと思う。
トラックは現在世界を席巻しているトラップのビートで、ラップも最新のフロウを取り入れ、ファッションも非常にスタイリッシュ。
彼らがiTunes総合チャートで上位にいることが当たり前になったのが非常に今を感じます。

 

●アジア圏出身アーティストの大快挙 シーンを研究し続けた努力の結晶
4位 BTS(防弾少年団)「FAKE LOVE」
作詞・作曲:Pdogg”hitman”bang、RM(5/18発売)

BTS(防弾少年団)は、2013年に韓国でデビューした7人組ヒップホップボーイズグループ。

【蔦谷好位置コメント】
アジア圏出身のアーティストが母国語で全米ビルボードアルバムチャート1位になったことは、今年上半期の最も大きなニュースのひとつです。
これまでに韓国のアーティストたちが切り拓いてきた道をしっかりと歩んできた結果だと思います。
メロディーが昨年ブレイクしたポスト・マローンの「rockster」に少し似ているのですが、それも現在のラップシーンと歌唱を上手く融合させたポスト・マローンの手法や、今の音楽シーンをとても研究しているものです。

 

●独特の色気を持つ声とルックス 新世代の男性R&Bスター
3位 向井太一「Siren」 作詞:向井太一 作曲:向井太一、omshy(5/30配信)

向井太一は、2013年よりソロ活動を行うシンガーソングライター。

【蔦谷好位置コメント】
R&Bを歌うのに絶対的に必要な条件の一つに色気があげられます。
彼は歌声、歌唱法、ルックス、佇まいと必要な色気を全て兼ね備えているシンガーです。
tofubeatsによるミディアムなブギートラックも見事で、一音一音のチョイスが絶妙で、それらが織りなされることにより シンプルなループ構成にドラマ性を生んでいます。

 

●異色コラボで日本の音楽シーンに一石を投じる金字塔的作品
2位 SOIL& “PIMP”SESSIONS「comrade feat.三浦大知」
作詞:Daichi Miura 作曲:Shacho(5/9発売)

【蔦谷好位置コメント】
SOIL& “PIMP”SESSIONSは元々インストのジャズバンドですが、今回のアルバムはガラッとスタイルを変えてヒップホップやR&B的なアプローチをしている曲が多数ありました。
ジャズバンドとしてしっかりとした実績を持つ彼らが予定調和ではないコラボレーションで やや閉鎖的な日本のシーンに一石を投じる金字塔的作品です。

 

3人が選ぶ2018年 上半期ベスト1

続いて、3人によるランキングの1位が紹介されました。 

【いしわたり淳治が選ぶ2018年 上半期ベスト1】

●魂を歌うシンガーのシンプルで真っ直ぐな応援歌
1位 竹原ピストル「どーん!とやってこい、ダイスケ!」
作詞・作曲:竹原ピストル(4/4発売)

【いしわたり淳治コメント】
 聴いた瞬間、秘本のどこかで替え歌になって歌われている画が浮かびました。
一般的に替え歌には二種類あります。
一つは ただの悪ふざけの替え歌で、もう一つは「いとしのエリー」に代表されるような歌詞中の名前を「好きな人」の名前に変えて歌うというような、歌う人にとって”実用的”な替え歌です。
サビで「どーん!とやってこい」と繰り返し、最後に名前を言う。
このシンプルなメロディーと歌詞は皆で合唱しても、一人で歌っても、きっと素敵な贈り物になるのではないでしょうか?

 

【mabanua が選ぶ2018年上半期ベスト1】

●一度聴くと忘れられない一癖ある歌詞世界に注目
1位 カネコアヤノ「祝日」 作詞・作曲:カネコアヤノ(4/25発売)

カネコアヤノさんは、詞や曲の独特の世界観が共感を呼ぶシンガーソングライター。

 【mabanuaコメント】
歌詞がスゴく好きです。
例えば「幸せのためなら いくらでもずる賢くいようよ いつまで一人でいる気だよ」の所とか。
選ぶワードに一癖二癖あって一度聴くと忘れられない。
あとAメロからサビまで、感情に合わせて変幻自在に声色を変えられる所も、曲のストーリーが伝わってきて面白いです。

 

【蔦屋好位置が選ぶ2018年上半期ベスト1】

●究極の5音ソング 確かな技術と独創的発想が生んだ名曲
1位 サカナクション「陽炎-movie version-」 作詞・作曲:山口一朗(3/28発売)

【蔦谷好位置コメント】
 この曲のメロディーは最初から最後まで5つの音しか使われていません。
5つの音だけ使うペンタトニックスケールの曲というのは、世界中の民謡や童謡、ポップソングに数え切れないほどありますが、この曲はその5音でいかに仕掛け、その中でいかに遊び、そして耳に残る強烈な曲にするかに挑戦したような曲に感じます。
技術、知識、経験をしっかりと持った上で、さらに創造を爆発させた怪曲です。

 

3名のプロデューサーが、それぞれの見識で楽曲へアプローチしていますが、2曲ほど楽曲がカブったりしているのも、興味深いところです。
すでにヒットしている曲も多く紹介されましたが、この中から、さらに「バズる」楽曲が生まれるかどうかも注目です。

 

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