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【関ジャム完全燃SHOW】実は奥が深い‼︎ カバー曲の世界

一昨日2018年11月11日、テレビ朝日系「関ジャム完全燃SHOW」では、「プロが選ぶ”これはやられた”傑作カバー」という内容の企画で、アーティストや音楽プロデューサーが選んだ傑作カバー曲を紹介していました。

※本ページはアフィリエイト広告を利用しています。 

プロが選ぶ傑作カバー

【カバー曲のアンケート協力者】

Chay・太田雅友・Mr.OOJA・nishi-ken・Little Gree Monster・ゴスペラーズ・加藤いづみ・オオノリュータロー・富山みれい(※とみは旧字)・ 風味堂・松本英子・吉岡悠歩・CHEMISTRY:川畑要・Uru・松谷麗王・清塚信也・坂本サトル・今井マサキ・植松陽介・近谷直之・平間美賀・中村タイチ・NAOTO・米米CLUB:林部直樹(敬称略)

 

【ゲストの音楽家】

・テノール歌手:秋川雅史さん 
→多くの曲をカバーしている

・音楽プロデューサー:坂本昌之さん
→累計売上600万枚以上の徳永英明さんのカバーアルバム「VOCALIST」シリーズ全曲を編曲 。平原綾香さんの「Jupiter」の編曲も手がける。

(※記事中のコメント等の文章は、「関ジャム完全燃SHOW」2018年11月11日放送分より引用・要約などさせていただいております。)

カバー曲の基本

坂本さんによると、カバー曲の基本は、

・メロディー&歌詞 → 変えない
・リズム&コード→ 手を加えて曲のイメージを変える

ということだそうです。

6つのカバー曲のジャンル

今回番組では、カバー曲を6つのジャンルに分けて紹介していました。

1.誰もが知る名曲のカバー曲
2.隠れた名曲のカバー曲
3.インスト曲のカバー曲
4.洋楽の日本語カバー曲
5.セルフカバー曲
6.女性ボーカル曲の男性カバー曲

 

番組では、「プロが選んだ!!すごいカバー曲」として、次のような曲が紹介されました。

1.誰もが知る名曲のカバー曲

【原曲】「 I LOVE YOU」 (‘83)  尾崎豊
→1stアルバム「十七歳の地図」(’83)に収録。91年にシングルカット。

 

【カバー曲】「 I LOVE YOU」 宇多田ヒカル
   (作詞・作曲:尾崎豊)
→2004年 尾崎豊のトリビュートアルバムで発表。 

【推薦者:ピアニスト・清塚信也さん】
原曲に寄せるパターンのすばらしい作品。
原曲のイメージを傷付けずに誰も幻滅させないように歌うのは難しい・・・
まさに名人芸。

【カバー曲】「 I LOVE YOU」(‘07)   中島美嘉
   (編曲 Tomi To)
→2007年 シングル「見えない星」のカップリングに収録。

【推薦者:ピアニスト・清塚信也さん】
中島美嘉さんは原曲から離れ 新たな魅力を提示するパターンのボーカル。
尾崎さんの声質とは対照的な鋭い声が魅力の中島さん。
アレンジで厚みを出し、声が映える曲に生まれ変わった。   

 

【原曲】「糸」(‘92)  中島みゆき
→2017年度カラオケランキング2位。(オリコン調べ)

 

【カバー曲】「糸」(’04)  Bank Band
   (作詞・作曲:中島みゆき 編曲:Takeshi Kobayashi)
→ボーカルは櫻井和寿。2004年 アルバム「沿志奏逢」に収録。

【推薦者:作曲家・近谷直之さん】
男性の櫻井さんに変わっても キーをほとんど変えずに 優しく歌詞が入ってくるようなアレンジ。
必ずしも新曲が時代を作るわけではないと示す1曲。 

 

【原曲】「ロビンソン」(‘95) スピッツ
→売上162万枚を超える最大のヒット曲。(オリコン調べ)

 

【カバー曲】「ロビンソン」(’13) ゴスペラーズ
→2013年発売。初のカバーシングル。

【推薦者:Little Gree Moster・かれん さん】
本家とは全然違う良さが 最大限に表現されている。

【推薦者:シンガーソングライター・植松陽介さん】
5人の良さが消えないのがスゴい。
四つ打ちを感じさせる疾走感が好きです。

【カバー曲】「ロビンソン」(‘13)  絢香
   (作詞・作曲 草野正宗)
→2013年 絢香 初のカバーアルバムに収録。

【推薦者:ピアニスト・清塚信也さん】
英語のような発音する絢香節が この世界観を生むアレンジになっている。 

 

【原曲】「歌うたいのバラッド」(’97) 斎藤和義
→15枚目のシングル。数多くのアーティストがカバー。

 

【カバー曲】「歌うたいのバラッド」(‘08) Bank Band
   (作詞・作曲:斎藤和義 編曲:Bank Band)
→2008年 カバーアルバム「沿志奏逢2」に収録。

【推薦者:コーラス/歌手・平間美賀さん】
原曲はあまりアップダウンはなく、さらっと歌ってるのに対して、アレンジとテンポを変えて語りかけるように歌っている。

ちなみに、このアーティストもカバーしています。
【カバー曲】「歌うたいのバラッド」(’14) 鈴木雅之
→2014年 カバーアルバム「DISCOVER JAPAN Ⅱ」に収録。

 

【原曲】「明日があるさ」(‘63) 坂本九
→歌詞は当時6番まで。後にカバーで12番まで書き足された。

 

【カバー曲】「明日があるさ Twentieth Century Mix」 Re:Japan
   (作詞:青島幸男 作曲:中村八大 編曲:CHOKKAKU)
→2001年に発売されたシングルのカップリングに収録されたアレンジ。

【推薦者:ギタリスト・中村タイチ】
曲が進んでいくごとに どんどんアレンジが変わる面白い構成。
音楽史の縮図のようなカバー曲。 

 ※この曲は、1番、2番・・・と、それぞれ音楽ジャンルが分かれていて、3番:カントリー、6番:ハードロック、7番:R&B、11番:トランス などのようにたくさんの要素が含まれていて、まさに音楽史をひっくり返したようなアレンジ とのこと。

 

坂本昌之氏によると、有名カバー曲におけるイントロは・・・
編曲の範疇なので いくら変えても良いが、原曲のイメージを守る必要もある
とのことでした。

 

2.隠れた名曲のカバー曲

【カバー曲】「また君に恋してる」(’09) 坂本冬美
   (作詞:松井五郎 作曲:森正明 編曲:若草恵)
→三和酒類「いいちこ日田全麹」CMソング。

【推薦者:音楽プロデューサー・太田雅友さん】
原曲はもともと少し低めのキーで作った曲。
それを女性曲としても少し高めのキーに設定。 

 

 ・・・この曲の原曲は
【原曲】「また君に恋してる」(‘07) ビリーバンバン
→「Mr.BIG」のエリック・マーティンもカバー。

 

【カバー曲】「I Will Always Love You」(’92) ホイットニー・ヒューストン
   (作詞・作曲:Dolly Parton)
→1992年 映画「ボディガード」の主題歌としてカバー。

【推薦者:ゴスペラーズ・安岡優】
原曲はカントリーで牧歌的な雰囲気。
それをホイットニーの歌でアレンジを変え世界的な名曲に生まれ変わらせた。 

 ・・・この曲の原曲は
【原曲】「I Will Always Love You」(‘74) ドリー・パートン
→アメリカのシンガーソングライター・女優・作家として活躍。

 

【カバー曲】「まちぶせ」(’81) 石川ひとみ
   (作詞・作曲:荒井由実 編曲:松任谷正隆)

【推薦者:ピアニスト・清塚信也】
原曲よりキーを高くしたり 音の切り方に メリハリを付け アイドルっぽさを出している。 

  ・・・この曲の原曲は
【原曲】「まちぶせ」(‘76) 三木聖子
→原曲もカバーも編曲は松任谷正隆が担当。

 

3.インスト曲のカバー曲

【原曲】「組曲『惑星』より『木星』」(1916) 作曲:グスターヴ・ホルスト
→組曲「惑星」は、「火星」「金星」「水星」「木星」「土星」「天王星」「海王星」で構成。

 

【カバー曲】「Jupiter」(’03) 平原綾香
→平原綾香のデビュー曲。オリコン月間1位(2004年2月度)(オリコン調べ)

【推薦者:ギタリスト・中村タイチさん】
クラシックをカバーすると多くはオペラベースになってしまう。
この楽曲はポップスになりながらも ダイナミクスも反映出来ているところがスゴイ‼︎

 ※ちなみに、「Jupiter」の企画は、当時 高校3年生だった平原さん本人の発案だそうです。
編曲については、原曲の3拍子を、ポップスっぽい4拍子に変えている、とのこと。

 

4.洋楽の日本語カバー曲

【原曲】「Livin,La Vida Loca」(‘99)  リッキー・マーティン
→全米Billboad Hot 100、全英シングルチャートで1位。

 

【カバー曲】「GOLDFINGER‘99」(’99) 郷ひろみ
   (作詞・作曲:R.Rosa-D.Child 編曲:鳥山雄司)
→第41回 日本レコード大賞最優秀歌唱賞受賞

【コーラス:今井マサキさん】
サビのフレーズ「A CHICHI A CHI」は郷さんが考案した原曲にない歌詞。
郷さんの歌唱力やパフォーマンスがあって本家に負けない存在感を生み出した。 

 

【原曲】「Daydream Believer」(‘67) THE MONKEES
→全米Billboard Hot 100 1位

 

【カバー曲】「〜DAY DREAMBELIEVER〜」 ザ・タイマーズ
   (作詞・作曲:JHON STEWART 日本語詞:ZERRY)
→CM曲としてエースコック(‘89)、サントリー(’06)、セブンイレブン(‘11〜)で使用。

【推薦者:ゴスペラーズ・酒井雄二さん】
原曲を知っていなくても 日本中が知っているカバー曲
とにかく訳詞がすごい‼︎
忠実ではないが 若者のリアルな不安や夢が描かれていて共感を呼ぶ。  

 

5.セルフカバー曲

【原曲】「夜空ノムコウ」(’98) SMAP
   (作詞:スガ シカオ 作曲:川村結花)

 

【カバー曲】「夜空ノムコウ」(‘01) スガ シカオ
→ベストアルバム「Sugarless」(‘01) に収録。

【推薦者:バイオリニスト・NAOTO】
テンポが少し遅くなって 歌詞が伝わりやすくなっている。
シンプルなコード進行で楽曲の思いが強調されている。 

 


【原曲】「海の声」(’15) 浦島太郎(桐谷健太)
   (作詞:篠原誠 作曲:島袋優(BEGIN))

 

【カバー曲】「海の声」(‘15) BEGIN
→アルバム「Sugar Cane Cable Network」に収録。

【推薦者:バイオリニスト・NAOTO】
音階・アレンジ・ボーカル録音方法など崩すことなくBEGINらしさが出ているセルフカバー。

 

【原曲】「宙船(そらふね)」(‘06) TOKIO
   (作詞・作曲:中島みゆき)
→第48回日本レコード大賞 作詞賞 受賞。

 

【カバー曲】「宙船(そらふね)」(‘06) 中島みゆき
→アルバム「ララバイSINGER」に収録。

【推薦者:バイオリニスト・NAOTO】
セルフカバーの方が、あえてスピード感を抑えるため ドラムのスネアを3拍目だけに入れている。 

 

6.女性ボーカル曲の男性カバー曲

【原曲】「桃色吐息」(‘84) 高橋真梨子
→この曲で第35回NHK紅白歌合戦に初出場。

 

【カバー曲】「桃色吐息」(’07) 徳永英明
→2007年発表の「VOCALIST3」に収録。

【推薦者:音楽プロデューサー・nishi-kenさん】
高音になろうとも張らずに優しいままキープするのは非常に難しい表現力やテクニックが要される。 

 

【原曲】「幸福論」(‘98) 椎名林檎
→椎名林檎のデビューシングル。

 

【カバー曲】「幸福論」(’18) レキシ
→2018年発売の椎名林檎トリビュートアルバムに収録。

【推薦者:風味堂・渡和久さん】
原曲と違うコード進行やリズムパターンで新しい世界観を見事に作り上げている。
カバーの面白さを再認識させられた作品。 

 ※坂本昌之氏によると、この曲は、サビのコードを全て差し替え、切なさを演出して女性感UPしているカバー曲であるとのこと。

 

こうしてみると、ホントにカバー曲は、原曲の方もカバー曲の方も名曲揃いです。
あらためて、カバー曲を聴いてみたくなりました。
個人的に、カバー曲で思い出深いのは、昔聴いていたSex Pistolsの「No Fun」などです。
今後、どんな「名曲」のカバー曲が生まれるか楽しみです。