昨日2018年12月23日、テレビ朝日系「関ジャム完全燃SHOW」では、街に冬ソングがあふれる季節ということで、「雪の名曲」についての20~50代の男女のアンケートをランキング形式で発表・解説する「クリスマス直前 !!20〜50代が選んだ 今聴くべき 雪の名曲ベスト10」という企画が放送されました。
ランキング形式で楽曲が発表されて、専門家が解説を加えるような企画は、ホントに楽しみです。
雪の名曲ベスト10
【ゲストのプロの音楽家】
ゲストとして、「雪の名曲」に解説を加えたのは、この2人
・いしわたり淳治さん:
作詞家・歌詞プロデューサー
・松本良喜さん:作曲家→中島美嘉「雪の華」・柴崎コウ・Kinki Kidsなど多くのアーティストを手がける売れっ子。
2人が、歌詞や楽曲のポイントなどを解説しながら、ランキングを発表していました。
(※記事中のコメント等の文章は、「関ジャム完全燃SHOW」2018年12月23日放送分より引用・要約などさせていただいております。また、「売上」とあるものは、オリコン調べとなります。)
雪のイメージ
いしわたりさんによると、雪のイメージは・・・
溶けてなくなるもの→はかない
降り積もる→想いが募る
白くてきれいな印象→ファンタジーな要素
スキー場→ドキドキ感
といったものがあるとのことです。
10位~4位
まず、20〜50代の男女に聞いた「雪の名曲ベスト10」の10位~4位までが紹介されました。
☆世界の歌姫が奏でる ハッピーなクリスマスソング(※30代の支持が多い)
10位 「ALL WANT FOR CHRISTMAS IS YOU」 (‘94) マライヤ・キャリー
(作詞:Maraiah Carey 作曲:Walter Afanasieff)
【いしわたり淳治さんのコメント】
ウキウキなメロディーに乗せて 何度も「クリスマスに欲しいのはあなただけ」と連呼するのが素敵です。
感情としては大人の歌なのに 感情表現は少女のようにどこまでもピュア。
クリスマスという特別な1日のワクワク感がとてもきれいに描かれています。
☆女性の支持が多数!!冬の定番ラブバラード(※40代の支持が多い)
9位 「WINTER SONG 」(’94) DREAMS COME TRUE
(作詞:MIWA YOSHIDA MIKE PELA 作曲:MIWA YOSHIDA MASATO NAKAMURA)
【松本良喜さんのコメント】
始めから最後まで鳴っている鈴の音が 雪の深々と降り積もる情景を表現している。
さらに さりげないコード進行で 切なさを表現する演出が素晴らしい。
※和音の1音が半音ずつさがっていく「クリシェ」というコード進行を使っている。
これにより、切なさがより高まっている
☆ソロで最大のヒット!!切ない恋心を歌った冬の名曲(※30代の支持が多い)
8位 「白い恋人達」(’01) 桑田佳祐
(作詞・作曲:桑田佳祐)
【いしわたり淳治さんのコメント】
降り積もる雪が募る想いを連想させる名曲。
もう一度だけ、涙こらえて、逢いたくて、恋しくて、といった未練の言葉一つ一つが一粒の雪のように重なっていく歌詞が秀逸。
☆恋人を◯◯に例えた スキー場の定番ラブソング(※40代・50代の支持が多い)
7位 「恋人がサンタクロース」(‘80) 松任谷由実
(作詞・作曲:松任谷由実)
【いしわたり淳治さんのコメント】
サビは常にタイトルワードに固定されているが、その「恋人がサンタクロース」も、実は1番と2番で人物が違っている、というオシャレ。
この短い曲の間に合計5人も登場人物が出てくるのがものスゴいです。
※5人の登場人物とは?
1番: ①隣のお姉さん
②隣のお姉さんの彼氏
③子供の私
2番 :④大人の私
⑤大人の私の彼氏
(1)複雑な5人をきれいに書き分け
(2)サンタクロースが1番と2番で別の人
(3)タイトルワードが固定されていて歌いやすい
☆CMソングで超ロングヒット!!クリスマスソングの代名詞(※40代50代の支持が多い)
6位 「クリスマス・イブ」(’83) 山下達郎
(作詞・作曲:山下達郎)
【松本良喜さんのコメント】
毎年この季節に街に流れる名曲中の名曲。
全て1人で歌ってる多重録音のコーラスがクリスマスの情景を鮮やかに描いている。
☆ディズニー映画の劇中歌 自分に向けた応援ソング(※20代に支持が多い)
5位 「レット・イット・ゴー 〜ありのままで〜(日本語歌)」(‘14) 松たか子
(歌詞対訳:沼崎敦子 日本語歌訳詞:高橋 知伽江)
【いしわたり淳治さんのコメント】
雪の歌はラブソングが圧倒的に多い中で、この曲は「自分についての歌」という意味で珍しい存在だと思います。
雪の降り積もる様を自分の過去を消してくれる ある種の消しゴムとして使っていて素敵です。
☆30〜40代の支持が多数!!冬の女王のミリオンヒット曲(※30代・40代の支持が多い)
4位 「ロマンスの神様」(’93) 広瀬香美
(作詞・作曲:広瀬香美)
【松本良喜さんのコメント】
まさにゲレンデのキラキラ感を代表する名曲。
これでもかという2回の転調で サビに向けてのドキドキ感と疾走感を見事に表現している。(※2回の転調で広瀬香美のハイトーンボイスを盛り上げている)
また、この曲は雪の定番ソングだが、「雪」という言葉が歌詞にない。
ちなみに、広瀬さんの「ゲレンデがとけるほど恋したい」(‘95)では、タイトル以外には「ゲレンデ」という言葉が歌詞に使われていない、とのこと。
20位~11位
3位~1位をみる前に、20位〜11位が紹介されました。
20位 「White Love」(’97) SPEED
(作詞・作曲:伊秩弘将)
→女性目線で永遠の愛を誓ったラブソング。売上約184万枚。
19位 「Everything」(‘00) MISIA
(作詞:MISIA 作曲:Toshiaki Matsumoto)
→会いたい想いを綴った至極のラヴバラード。ドラマ「やまとなでしこ」の主題歌。
18位「Choo Choo TRAIN」(’91) ZOO
(作詞:佐藤ありす 作曲:中西圭三)
→未来への希望を汽車に例えたダンス曲。2003年にEXILEがカバー。
17位「スノーマジックファンタジー」(‘14) SEKAI NO OWARI
(作詞:Fukase 作曲:Nakajin)
→冬の寂しさやキラキラ感を詰め込んだ楽曲。JR東日本「JR SKISKI」CMソング。
16位「Winter,again」(‘99) GLAY
(作詞・作曲:TAKURO)
→恋人と故郷への想いを歌ったふゆのラブソング。売上164万枚以上。
15位「津軽海峡・冬景色」(‘77) 石川さゆり
(作詞:阿久悠 作曲:三木たかし)
→北海道に帰る女性の心情を描いた叙情詩。第19回日本レコード大賞・歌唱賞。
14位「クリスマスソング」(’15) back number
(作詞・作曲:清水依与吏)
→好きな気持ちを伝えられない男が主人公。音楽プロデューサーは小林武史。
13位「冬がはじまるよ」(‘91) 槇原敬之
(作詞・作曲:Noriyuki Makihara)
→恋人と迎える冬への期待感が曲のテーマ。
12位「ゲレンデがとけるほど恋したい」(‘95) 広瀬香美
(作詞・作曲:広瀬香美)
→恋愛に前向きな女性を描いた冬の定番曲。スポーツ用品店「アルペン」CMソング。
11位「悲しみは雪のように」(’92) 浜田省吾
(作詞・作曲:Shogo Hamada)
→大切な人の悲しみを積もる雪に例えた名曲。ドラマ「愛という名のもとに」の主題歌。
3位~1位
最後に、3位~1位が紹介されました。
☆大切な人との別れを綴った 昭和を代表するフォークソング(※50代の支持が多い)
3位 「なごり雪」(‘75) イルカ
(作詞・作曲:伊勢正三)
【いしわたり淳治さんのコメント】
「今春が来て君はきれいになった 去年よりずっときれいになった」はとても秀逸なコピー。
これをどんな写真に載せても素敵な広告になる。
どのシチュエーションにも「物語」を連れてくるスゴいフレーズ。
※ちなみに、「なごり雪」という言葉は、作詞した伊勢正三が作った造語と言われる。
☆歌姫の美声が心に刺さる 至極のラブバラード(※20〜40代の支持が多い)
2位 「雪の華」(‘03) 中島美嘉
(作詞:Satomi 作曲:松本良喜)
【松本良喜さんのコメント】
メロディーをフォーク調にしたが、歌謡曲のように音数がシンプルだと暗くなりすぎてしまう。
そこでテンション(追加音)を足して希望を感じさせる現代風の響きを作った。
☆ドラマ挿入歌で大ヒット!!雪景色に響く魂の絶叫(※20代の支持が多い)
1位 「粉雪」(’05) レミオロメン
(作詞・作曲:藤巻亮太)
【いしわたり淳治さんのコメント】
A・Bメロは僕と君との間に起きた出来事や想いを内省的にモノローグで語っていて、一転 サビでは「粉雪」と叫ぶ。
サビで空へ視線を上げることで メロディー展開とも相まって メッセージも大きく開けた印象を与えている。
※ドラマ「1リットルの涙」の挿入歌。
どの曲も、各々に思い出があり、親しみがある曲ばかりでした。
特に、1位~3位は、納得、といった曲ではないでしょうか。
(個人的には、雪の名曲というか、冬の曲だと、Wham!の「Last Christmas」くらいしか思いつかないんですけど。)
この冬に、あらためてじっくり聴きたいと思います。