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【関ジャム完全燃SHOW】この時期に聴きたい 上京ソングBEST10

昨日2019年3月24日、テレビ朝日系「関ジャム完全燃SHOW」では、進学や就職で地方から上京する人が増えるこの時期に聴きたい「上京ソング」をランキング形式で紹介する「地方出身者が選ぶ 上京ソングベスト10」という企画が放送されました。

番組では、20~50代の上京経験者のアンケートからベスト10を決定。
上京ソングになぜ名曲が多いのか?を解説するのは、2人のプロの音楽家でした。

上京ソングベスト10

【ゲストのプロの音楽家】

いしわたり淳治さん:作詞家・歌詞プロデューサー (青森出身)
寺岡呼人さん:JUN SKY WALKER(S) ベーシスト・音楽プロデューサー(広島出身)

この番組での、ランキング形式で楽曲を紹介する企画は、曲を聴くうえで、いつも参考になるので、とても楽しみです。

 (※記事中のランキング・コメント・ポイント等の文章は、「関ジャム完全燃SHOW」2019年3月24日放送分より引用・要約などさせていただいております。)

上京ソングの特徴

(1)都会⇔ふるさと
(2)夢⇔現実(恋愛・家族・友人など)

※こういったものの「対比」や、両者に「挟まれた気持ち」が表現されている。

 

まずは、上京ソング ランキングの10位から4位までが紹介されました。

 

10位~4位

☆都会に出た若者を心配する優しさが溢れる名曲
10位 「案山子」('77)/さだまさし
(作詞・作曲:さだまさし)

【いしわたり淳治コメント】
気を抜くと泣いてしまいそうです。
北国出身で、昔気質の気難しい父を持つ私にとって、1番リアルに響く上京ソングです。
圧倒的に美しい情景描写は さださんにしか表現できない世界だと思います。

 

☆背中を優しく押してくれる あのモンスターバンドのロングヒット曲
9位 「星になれたら」('92)/Mr.Children
(作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿・寺岡呼人)

※シングルカットされていないにも関わらず、リリースから25年以上経った今も歌い継がれている。

 

☆上京した誰もが抱く感情を繊細に表現したギターロック
8位 「東京」('98)/くるり
(作詞・作曲:岸田繁)

【寺岡呼人コメント】
歌詞中の「君」は本当に存在するのか?もし、(存在)しないのならば孤独の象徴としての「君」を用いた「上京ソング」はこの曲だけではないだろうか。そんなこのとを考えながら聴きました。

 

☆青春のたくさんの感情がつまった あの女性シンガーソングライターの名曲
7位 「TOKYO」('06)/YUI
(作詞:YUI 作曲:COZZi)

【いしわたり淳治コメント】
「古いギターを持って写真を置いてきた」という伏線と、「何かを手放して 何かを手に入れる」という回収が綺麗です。
ミニマムな言葉運びの中に、青春時代のものスゴくたくさんの感情が詰まっている感じがします。

 

☆東京に住む恋人に向けた70年代のせつないラブソング
6位 「東京」('74)/マイ・ペース
(作詞・作曲:森田貢)

【いしわたり淳治コメント】
普通の遠距離恋愛の歌なら「会えない」切なさを歌うところを、「結構 会える距離だけど 帰る時いつも寂しい」みたいなところがテーマになっていて、これはだいぶ珍しいタイプだと思います。
レアなケースの細分化したことで、個性が際立つ曲になっていると思います。

 

☆あのヒットメーカーが手掛けた究極の上京ソング
5位 「遠く遠く」('92)/槇原敬之
(作詞・作曲:槇原敬之)

【いしわたり淳治コメント】
身の回りの描写から、サビでの世界の広がりにグッときます。
「同窓会の案内状」は誰もが共感できる秀逸な表現だと思います。

 【寺岡呼人コメント】
聴く人が自分を投影できる歌詞が素晴らしいです。
これぞ究極の上京ソングだと思います。

 

☆サビ頭のフレーズが秀逸!!あの国民的バンドの応援歌
4位 「YELL」('09)/いきものががり
(作詞・作曲:水野良樹)

【いしわたり淳治コメント】
サビの「サヨナラは悲しい言葉じゃない」の一言が印象的です。
個人的には卒業ソングという印象でしたが、別れに対する前向きな言葉たちが、上京する多くの人の心に響いているのだと思います。

 以上、上京ソング ランキングの4位から10位でした。

20位~11位

ちなみに、上京ソング ランキングの20位から11位は、次の曲でした。

・20位 「東京賛歌」('07)/BUNP OF CHICKEN
(作詞・作曲:藤原基央)

※東京の街を「危ない」「冷たい」などと表現する曲が多い中、「人はどの場所に居てもその人のままである」と歌詞に綴っている。

 

・19位 「ワンルーム・ディスコ」('09)/Perfume
(作詞・作曲:中田ヤスタカ)

※初めての一人暮らしを題材にした曲。

 

・18位 「東京」('05)/福山雅治
(作詞・作曲:福山雅治)

※長崎出身の福山がもう1度ルーツを確認するための制作。本人がラジオで「東京」「BEAUTIFUL DAY」「東京にもあったんだ」の”東京3部作”の1曲と語っていた。

 

・17位 「トモダチ」('02)/ケツメイシ
(作詞・作曲:ケツメイシ)

※別の道へと進む友との別れを歌った楽曲。歌詞が高校用教材「資料 現代社会」(実教出版)に掲載された。

 

・16位 「ツバサ」('04)/アンダーグラフ
(作詞・作曲:真戸原直人)

※夢を追って旅立つ、切ない別れを歌った曲。今年デビュー15周年の大阪出身スリーピースバンド。

 

・15位 「またあえる日まで」('02)/ゆず
(作詞:アドベンチャーキャンプの子供たち&北川悠仁 作曲:北川悠仁)

※別々の道を進む友人への感謝と再会を綴っている。「ドラえもん」7代目エンディングテーマ。

 

・14位 「遥か」('09)/GReeeeN
(作詞・作曲:GReeeeN)

※旅立ちをテーマに親子や家族の愛、絆を歌った曲。映画「ROOKIES -卒業-」の主題歌。

 

・13位 「大都会」('79)/クリスタルキング
(作詞:田中昌之・山下三智夫・友永ゆかり 作曲:山下三智夫)

※「大都会」に対する憧れや不安な気持ちを歌った曲。結成当初は長崎県佐世保市などで活動。(いしわたりさんによると、この曲の「大都会」は「福岡」のことだとのこと)

 

・12位 「どんなときも。」('91)/槇原敬之
(作詞・作曲:槇原敬之)

※当時、槇原が大学の合格発表を待ちながら、自分への応援歌として書いた曲。「結果がどうあれ 僕は僕らしく」という想いだった。

 

・11位 「東京」('05)/ケツメイシ
(作詞・作曲:ケツメイシ)

※上京して挫折し、再び立ち上がる男の再生物語。

 

以上、20位から11位でした。

続いて、上京ソング ランキングの3位から1位が紹介されました。

3位~1位

☆サビで変化する視点が素晴らしい あの大物プロデューサー若き日の1曲
3位 「上・京・物・語」('94)/シャ乱Q
(作詞:まこと 作曲:はたけ)

【いしわたり淳治コメント】
AメロBメロでは目の前で起きている出来事が描写され、それがサビでは、客観的な視点の言葉に変わります。その情熱と冷静の対比が素晴らしいと思います。

 

☆世代を超えて共感される美しい別れの歌
2位 「なごり雪」('75)/イルカ
(作詞・作曲:伊勢正三)

【寺岡呼人コメント】
電車のホームという世界の中だけで、時間の幅を描く表現が圧倒的です。
「君のくちびるがさようならと動くことが こわくて下をむいてた」
この表現にやられました。

 

☆恋人の心変わりを表現した切ない上京ソングの決定版
1位 「木綿のハンカチーフ」('75)/太田裕美
(作詞:松本隆 作曲:筒美京平)

【いしわたり淳治コメント】
AメロとBメロで男女の目線が明確に入れ替わる、というスタイルは珍しい気がします。

・Aメロの歌詞(男性目線)・・・牧歌的で明るい感じ。都会で心変わりしていく様子。
・Bメロの歌詞(女性目線)・・・切なく激しい感じ。変わっていく男性を涙ながらに受け入れる様子。

 ※寺岡さんによると、松本隆(ロックバンド「はっぴいえんど」の元ドラマー)の挑戦的な詞に対し、作曲の筒美京平がすぐさま曲を付け、完成度の高い歌謡曲を作り上げた。
歌謡曲を少し下にみていた松本は、以降、歌謡曲もリスペクトするようになった、と言わている、とのこと。

 

以上、上京ソングBEST10でした。
やはりというか、「東京」というタイトルが多かった印象です。
名曲が多いですね。
この時期、これから上京される方、また、都会で受け入れる側の方々もあらためて聴いて、この気持ちを共有したいです。

 

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