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【関ジャム完全燃SHOW】音楽のプロが本気で選んだ 2020年のマイベスト10【後編】

昨日2021年1月17日、テレビ朝日系「関ジャム完全燃SHOW」は、前週10位→5位までが放送された好評企画「音楽のプロが本気で選んだマイベスト10 2020」の続きで、4位→1位の発表でした。
※「音楽のプロが本気で選んだマイベスト10 2020」は3人の音楽のプロが、昨年2020年に発売された楽曲の中からマイベストを10曲ずつ選んだ、1年間を振り返る名曲ランキングです。今回の放送は、前週の続きの内容で、4位→1位の発表でした。) 

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音楽のプロが本気で選んだマイベスト10

マイベストを選んだ音楽のプロは、前週に引き続き、次の3人でした。

蔦谷好位置さん:音楽プロデューサー。
いしわたり淳治さん:作詞家・歌詞プロデューサー。
川谷絵音さん:ミュージシャン(indigo la Endなど複数のバンドで活動)

 

(※記事中のランキング・曲名・コメント等の文章は、「関ジャム完全燃SHOW」2021年1月17日放送分より引用・要約などさせていただいております。)

 

川谷絵音が選ぶ2020年のマイベスト10曲(4位→2位)

【4位】
☆音楽短大出身岡山在住の女性シンガーソングライター
●POINT:こんな「愛してる」があった!?訛りのある新しいメロディー!!

「melt bitter」/さとうもか(1/22発売)
作詞・作曲:Moka Sato 編曲:Sato Moka Band

さとうもか:新世代のユーミンと称される26歳。音楽短大出身。岡山在住の女性シンガーソングライター。

【川谷絵音さんのコメント】
藤井風くんに続き岡山在住のシンガーソングライター。
切ない歌声サビの「愛してる 愛してるなんて」の少し訛った譜割りが素晴らしい。
"愛してる"という歌詞で「新しいメロディーなんてないだろうな」と思っていたが、"愛してるなんて"で急に早くなる。
これはめちゃくちゃ切ないと思った。

 

【3位】
☆2020年メジャーデビュー!!ネットで話題の歌い手出身アーティスト
●POINT:R&Bを感じる 2020年No.1の歌声!!

「春を告げる」/yama(4/17配信)
作詞・作曲・編曲:くじら

yama:2020年メジャーデビュー。顔・年齢・性別は非公開。人気ボカロP・くじらによるプロデュース曲。

【川谷絵音さんのコメント】
個人的に近年で1番の良い声。
高いだけでなく、音域が広くて、倍音がスゴく低いところがあるので、ちゃんとR&Bっぽくなる声。
そして作曲を手がけるくじらくんのセンスが光っています。
邦ロック感が強くなくブラックミュージックを感じます。

川谷さんは、加藤ミリヤさんのトリビュートアルバム「MILIYAH INSPIRE」で編曲などに関わったそうです。
その1曲の瑛人さんとyamaさんの「Love Forever」のミックスを井上うにさん(レコーディングエンジニア。indigo la End・椎名林檎・Official髭男dismなどを手がける)が担当したそうです。
うにさんは、普段無骨な方であまりこういったことを言わない方だそうですが、yamaさんの声を「こんな良い声を、僕は近年聴いてない!!」、「ミックス楽しかった!!」「すばらしい」と言っていて、興奮されていたんじゃないか、とのエピソードを語っていました。


加藤ミリヤト リビュートアルバム「MILIYAH INSPIRE」
「Love Forever」/瑛人×yama(2020年)
作詞・作曲:Miliyah,Shota Shimizu 編曲:川谷絵音

 

【2位】
☆YouTubeをキッカケにメジャーデビュー!!2020年大ブレイク音楽ユニット
●POINT:意外な展開に裏切られた!!センス抜群の1曲

「暗く黒く」/ずっと真夜中でいいのに。(11/3配信)
作詞・作曲:ACAね 編曲:100回嘔吐,ZTMY

ずっと真夜中でいいのに。:2018年メジャーデビュー。通称:ずとまよ。顔も年齢も非公開。ボーカル"ACAね"による、特定の形をもたない音楽バンド。

【川谷絵音さんのコメント】
バラードかと思いきや、意外な展開をする曲に驚きました。
歌声も素晴らしいし、曲の展開の良い意味での裏切りにセンスを感じます。
これからの音楽シーンを引っ張ていくシンガーソングライターです。

 

※蔦谷さんも「2018年のマイベスト10曲」で、ずっと真夜中でいいのに。/「脳裏上のクラッカー」を9位の上げていました。
また、蔦谷さんは、川谷さんのランキングを見ると、「川谷絵音以降」(川谷絵音の影響を受けたアーティスト)という形があるのでは?と指摘していました。

 

いしわたり淳治が選ぶ2020年のマイベスト10曲(4位→2位)

【4位】
☆SNSで動画をアップし続ける 20歳の弾き語り女性アーティスト
●POINT:純粋さを表現した歌詞やぶっきらぼうなタイトルが秀逸!!

「浮気されたけどまだ好きって曲。」/りりあ。(5/22配信)
作詞・作曲:りりあ。


りりあ。:20歳。TikTokやYouTubeでこの曲を公開すると、"天使の歌声"と絶賛され、話題に。レコーディングは自宅の部屋で行う。

【いしわたり淳治さんのコメント】
この「浮気されたけどまだ好きって曲。」という、事実を事務的に並べたようなぶっきらぼうなタイトルは、心に空いた穴の大きさ、虚無感や放心状態をとてもよく表していて素晴らしいと思いました。
サビの「汚れた君は嫌いだ。君を汚したあいつも嫌いだ。」という短いワードで、主人公の若さや純粋さを上手く表現しているのも秀逸さなと思いました。

 

【3位】
☆実力派ロックバンドから生まれたアコースティックユニット
●POINT:八丈島の方言で歌う異国情緒溢れる音楽!!

「パレード」/MIZ(4/22発売)
作詞:玉置周啓 作曲:加藤正純 編曲:MIZ
MIZ:数々のフェスに出演する次世代バンドMONO NO AWAREの八丈島出身メンバー2人によるアコースティックユニット。

【いしわたり淳治さんのコメント】
この曲は日本語のような、外国語のような、あるいは異世界の言葉のような、耳慣れない不思議な言葉で歌われています。
これは彼らの出身地、八丈島の方言だそうで、温かく、どこか懐かしい音楽の仕上がっています。
ステイホーム期間の晴れた昼下がりによくリビングで流していました。

 

【2位】
☆デビュー前のライブで渋谷公会堂のチケットを即完したアーティスト
●POINT:方言で生まれる言葉のリズム感!!令和の天才のデビュー曲

「何なんw」/藤井風(1/24配信)
作詞・作曲:Fujii Kaze 編曲:Yaffle

【いしわたり淳治さんのコメント】
大人っぽいメロディーとアレンジ、少し脱力な歌詞と歌唱のバランス感覚が素晴らしいです。
一人称は「僕」や「俺」ではなく「ワシ」そして「あの時の涙は何じゃったん」など、方言のフレーズにしてことで生まれる言葉のリズム感を上手く使っています。

 

蔦谷好位置が選ぶ2020年のマイベスト10曲(4位→2位)

【4位】
☆ワンマンツアーが全てソールドアウト!!2017年デビューのソロプロジェク
●POINT:2020年 No.1ファミレド!!

「HOPE」/TENDRE(6/17配信)
作詞・作曲・編曲:河原太朗
TENDRE:CharaやRyohuのプロデュースなど様々なアーティストの作品に参加する河原太朗のソロプロジェクト。

【蔦谷好位置さんのコメント】
サウンドデザインのセンスが素晴らしく、いつもそのセンスに耳を奪われていましたが、この曲のサビの「ファミレド」を聴いた時に、TNDREがポップスのメロディーとしっかり向き合っていく「覚悟」のようなものも伝わり、よりアーティストとしての凄みを感じました。

 

【3位】
☆ネット発の異色ラッパーと新進気鋭のトラックメイカーがコラボ!!
●POINT:USシーンと呼応した純国産エモラップ!!

「Heaven's Drive feat.vividboooy」/(sic)boy,KM(7/7配信)
作詞:(sic)boy,vividboooy 作曲:KM,(sic)boy,vividboooy 編曲,KM
※L'Arc~en~Cielのhydeから影響を受けた異色のラッパー・(sic)boyと、幅広い音楽性で活躍するプロデューサー・KMのコラボ第3弾。

【蔦谷好位置さんのコメント】
(sic)boyとプロデューサーのKMが2020年に作り上げた「CHAOS TAPE」(アルバム)という怪作の中の1曲。
USのエモラップとの呼応を感じるサウンドながらも、独自性があるのは動きが大きくメロディアスで、ラップとも歌とも取れるような不思議なスタイルであるというところだと思います。

 

【2位】
☆2018年にも蔦谷が選出!!先月メジャーデビューした3人組バンド
●POINT:あの名作アニメ映画をモチーフにした衝撃作!!

「大東京万博」/Tempalay(2/26配信)
作詞・作曲:小原綾斗 編曲Tempalay


Tempalay:先月メジャーデビューした AAAMYYY・小原綾斗・藤原夏樹 の3人組バンド。結成わずか1年でフジロックに出演。海外ツアーも行う新世代バンド。

【蔦谷好位置さんのコメント】
この曲は「心地良さと違和感」「美しさと不気味さ」が見事に融合していて、明らかに特異な音として2020年に輝いていました。
コロナ以前に作られたはずですが、2020年の混迷を予言したかのような歌詞と奇妙なサウンド。
それはおそらく「AKIRA」をモチーフにしていた部分も大きいかと思われますが、完全に彼らのオリジナルとして不気味で怪しくてポップな楽曲になっています。

※蔦谷さんは、2018年のマイベスト 7位に、「どうしよう」/Tempalay を選出しています。

 

3人が選ぶ2020年のマイベスト1位

川谷絵音が選ぶ2020年のマイベスト 1位

【1位】
☆昨年 初の武道館公演も成功させた大注目アーティスト!!
●POINT:僕も思いつかないサビのメロディーと歌詞が秀逸!!

「罪の香り」/藤井風(5/20発売)
作詞・作曲:Fujii Kaze 編曲:Yaffle

 

※ゲストの3人がそれぞれ藤井風さんの別の曲を選出。

【川谷絵音さんのコメント】
近年で1番衝撃を受けました。
声良し曲良し歌詞良し、非の打ち所がない才人。
サビのメロディー。これは思いつかない。「おっと 罪の香り 抜き足差し足忍び足」"何だこの歌詞”みたいな…
歌詞が難しくないのに思いつかないという1番出来ないことをやっている。


※川谷さんは、「来年も藤井風が1位になるんじゃないか、と思う」、「最近出た曲(12/11配信「青春病」)もめっちゃ良かった。底が見えなくて怖い」と仰っていました。


いしわたり淳治が選ぶ2020年のマイベスト 1位

【1位】
☆史上初!!CD未発売デ2020年 年間チャート1位を獲得した2人組
●POINT:新しい発明!!小説とリンクした歌詞

「ハルジオン」/YOASOBI(5/11配信)
作詞・作曲・編曲:Ayase

【いしわたり淳治さんのコメント】
メロディーやアレンジ、声の美しさはもちろん素晴らしいのですが、作詞家にとって彼らに1番衝撃を受けたのは、歌詞が小説とリンクしている点です。(※注:「それでも、ハッピーエンド」(橋爪駿輝 著)をモチーフに作られた楽曲)
ひとつの小説にオートクチュールで歌を作るというこのスタイルは、これまでの多くの人に似合う既製品の服を作るような楽曲制作とは全く別のベクトルの新しい"発明"だと思いました。

YOASOBIの特色:ストーリーや状況説明は小説が担っている。音と言葉のマッチングだけで楽曲が作られる。(基礎となる情景描写の歌詞が省ける。)

 

蔦谷好位置が選ぶ2020年のマイベスト 1位

【1位】
☆APPLE VINEGAR-Music Award-(新進気鋭のミュージシャンが発表したアルバムに贈られる作品賞)大賞受賞!!2008年結成のインディーフォークバンド
●POINT:2020年の世界情勢から生まれた「命の応援歌」

「極彩|IGL(S)」/ROTH BART BARON(9/23配信)
作詞・作曲:Masaya Mifune 編曲:ROTH BART BARON

ROTH BART BARON:シンガーソングライターの三船雅也が2008年に結成した日本のインディーフォークバンド。アメリカツアー2回、中国ツアー、タイ、モンゴルなど日本のみならず世界にその活動範囲うぃ広げている。

【蔦谷好位置さんのコメント】
2020年の幕開けはコロナウイルスにより、たくさんの命や価値が奪われ、私たちの日常を大きく変えてしまいました。
そんな中、この曲は全ての祝われなかった命へのレクイエムであり、何があろうと圧倒的に生を肯定する応援歌に感じました。
悲しみや不条理という現実と向き合いながら、全ての命に心の底から祝福を送っている三船雅也。
これこそ音楽に出来る可能性であり、音楽家のあるべき姿だと思います。

 

3人の方々、それぞれの個性が出た選曲でした。
毎回、この企画から新たなヒット曲・バズり曲が出ているので、今後の動向にも注目したいところです。

※今回の放送も、「Tver」で2021年1月24日まで限定配信されているとのことです。↓↓こちらのリンクから↓↓

関ジャム 完全燃SHOW|民放公式テレビポータル「TVer(ティーバー)」 - 無料で動画見放題

 

【前回放送の10位→5位までの記事はこちら↓↓】

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